みんなで 雨や 水、そして 地球のことを かんがえよう!

 
A 地球上にある水の量
A-1

1 はじめに

わたしたちの住んでいる地球は、「水の惑星」とも呼ばれていて、表面の70%が水でおおわれています。

しかし、地球を1mの球体におきかえると、海の深さは平均でわずかに 0.3mmしかありません。 (注1)

その水も ほとんどは海水で、じっさいに わたしたちがすぐにでも使える水は かぎられた量なのです。        
地球の水事情について、しばらく学んでみましょう!

                          
A-2

2 「地球上の水の量」と 「わたしたちが使える水の量」

環境学習・バーチャルウォーター・雨水利用
地球の水は全体量で 約14億Km3(注2)ですが
ほとんどは海水で、淡水(真水)の量はほんの
3%程度です。
環境学習・バーチャルウォーター・雨水利用
その わずか3%の淡水も、およそ70%は北極と
南極に氷の状態で存在し、残りの30%もほとんど
地下水で、
私たちが日常使える川・湖・雨などの
水は 1%にもなりません。(注3)

 以上を 身近なボールにたとえると ・・・
 
 
  地球の大きさと比較すると さらにビックリ!
 
地球の水の総量を 球体におきかえて 地球の大きさと比較してみましょう。
海水や 北極・南極の氷、大気中の水蒸気などもふくめた 地球上のすべての水を一箇所に集めて 球体にしたものが 1で、日本の本州全体がスッポリ入るくらいの直径の球体になってしまいます。

そこから海水を除いたものが 2 になりますが、そのうち大部分を占める 北極と南極の氷などを除いて 残る淡水の量は 3 の大きさでしかありません。 

これを 拡大してみると ・・・
3 を拡大してみてみると、東京都がすっぽり入るだけの直径の球体にしかなりません。
これが、河川・湖沼や 浅い地下などに存在して わたしたちがすぐに利用できる地球上の水の総量なのです。
 ( ※水量の試算データによってばらつきがありますので おおよそのイメージとしてお考えください )
A-3

3 まとめ

  地球には 豊富に水があるが、
すぐに使える水は、わずかにかぎられている!
 
(注1)     地球の直径 12,756Km(赤道付近)に対し、海の平均の深さは 3,800m(約4Km)
(注2)(注3) Wikipedia-水の項目によるデータを参考 






 
B 世界と日本の水事情
B-1

1 世界の水事情

世界の約60億の人口のなかで、安全な水を飲んでいる人はわずか12億人程度(全体の20%)
そのなかでも日本のように水道・下水道を使えるのはその半分にすぎない。 (注4)

安全な水を飲んでいても、6歳くらいから15Kmの道のりを歩いて水くみをすることが毎日の日課になっているようなケースも少なくない。

さらに世界では
3人のうち 2人が深刻な水問題をかかえている。

→ 世界どこでも 水道の蛇口をひねればすぐ水が出るわけではない!
B-2

2 世界のなかの 「日本の水事情」

表3は 世界各国の水事情です。
 
紺色 →水が豊富にある
 
水色 →水が十分ある
 
緑色 →水がほぼ足りている
 
黄色 →水がやや不足
 
ピンク →水問題がある
 
赤   →深刻な水問題がある

さてわたしたちの日本はどうかと見てみれば、水資源が豊かなわりには なんと「水がやや不足」で色分けされています。

その背景には 食料のかなりの部分を輸入にたよっている・・という事情がかくされているようです。
      
B-3

3 世界から水を輸入している日本

わたしたちが日常食べている食材に必要な水の量は?
わたしたちが 毎日口にしている食品ができるまでには、その何百・何千倍もの水が使われています。
主要な食材ができるまでに必要とされる水の量をみてみましょう。
穀物が 100g実るまで
に必要な水の量は・・
とうもろこし → 190L
小麦 → 200L
白米 → 360L
食肉 100g になるまで
に必要な水の量は・・
鶏肉 → 450L
豚肉 → 600L
牛肉→2000L (2トン!?)
このように 食材ができるまでには大量の水が必要です。
穀物を食べて成長する動物の食肉には、さらに多くの水が必要であることがわかります

ちなみに ハンバーガー 1個 → 1000L (1トン)  牛丼 1杯 → 1890L (約2トン)・・・と、 わたしたちがなにげなく食べている食事ができるまでに、大量の水が 見えない部分で使われているのです。

ですから、 食材や食品を輸入にたよっている日本では、水を目に見えない形で輸入している・・・といえるのです。

目には見えないこの水のことをバーチャル・ウォーター(仮想水)といいます。
試算によると 日本では 国内で使用する年間総水量・893億m3 とはべつに、 その3/4にあたる量の水(640億m3)を世界から輸入しています。
  (注5
B-4

4 まとめ

世界では水で困っている人の方が多いのに、水資源に恵まれた日本では 世界中から水を見えないかたちで輸入している!               
私たちの身近にある水資源を もっと有効に活用する気持ちを大切にしよう!
 
(注4)     「京都アクションネットワーク」パンフレットより
(注5)     沖大幹 助教授(東京大学生産技術研究所)ホームページからの出典
     「平成18年版 日本の水資源」 国土交通省 土地・水資源局部水資源部 2006.8より







 ちょこっと ひとやすみ

 
 雨水リサイクル研究会のゆかいな仲間・・・青木尚之さん

世界でも前例がない 天然クロダイの調教に成功し、
世界初のクロダイ輪くぐりを成功させたかたです。
天然黒鯛調教師:青木さんの マジックをどうぞ!

 青木尚之さんのYouTubeチャンネルはこちらから♪

世界初の海中サーカス
黒鯛調教師 青木 尚之
地域福祉活動慰問グループ
 社会福祉協議会ふれあいサロン講師
ひよこ会 代表 青木 尚之
ご興味のある方は 下記にご連絡ください。 黒鯛調教師以外に ギター講師もこなす多才な方です 
〒790-0911  愛媛県 松山市 桑原 2-2-9 
TEL: 090-1575-1817  FAX: 089-947-0766  



 
 
 
C わたしたちにできること
C-1

1 わたしたちが 今していること・・・

            雨水リサイクル活動
雨は とても身近な水資源であり、自然の蒸留水です。
               雨水をためて散水や打ち水に使用する普及活動をつづけています
        小・中学校での雨水リサイクル

上田市では NPOと協力して 、すでに 18校・25箇所に雨水活用設備を設置させて頂きました。 「環境学習」の一環として 、雨水リサイクル活動を 緑化委員の生徒さんたちが中心となって、 続けています。

最初に 雨水リサイクルを試験導入した小学校で、雨水活用を通じて 生徒のみなさんが電気の節約・ 節水を心がけるようになり、その結果 水道代など大幅に節約するという 目に見えた結果が出せたことがきっかけとなって全市の小中学校に設置されました。

信州の鎌倉・別所温泉の
近くの小学校に設置した
雨水タンク(500L)とポンプ

こちらはその近くの中学校です
新校舎建設にあたり、旧校舎
への感謝をこめて緑化委員の
皆さんが中心となって雨水で
育てたパンジーをかざりました

緑化委員の子供たちと一緒に
冬になる前に 雨水タンクの
水ぬき・清掃をしています
NPOとの協力活動
大企業への活動

いろいろな イベントのなかで
環境学習をしながら雨水
リサイクルのPRをしました

NPOが管理する 訓練センター
でも、遊びながらの雨水活用で
子供たちに水の大切さをPR中

2年半まえから、2000Lの雨水
タンクを導入して、活用している
会社です。毎年おおがかりに
「打ち水大作戦」をしています。
C-2

2 わたしたちの仲間たちが 今していること・・・
 
  
雨水リサイクル活動に取り組むなかで すばらしい方々との出会いがあり、交流を続けさせて頂いています。     
敬愛する先達のみなさんが取り組んでいる 、すばらしい活動の一部を ご紹介します。

バングラディッシュでの雨水リサイクルの普及活動

バングラディッシュでは、地下水が砒素で汚染されて、多くの方が健康を害されました。
雨水利用市民会の徳永さんを中心に、雨水を飲み水として利用するための普及活動を続けています。

雨水設備のモデルを前に
熱く語る徳永氏
(長野県下5箇所での雨水活用
講演会でも講師として参加
してくださいました)

バングラディッシュで現地の竹を利用して
徳永さんたちがつくった簡単な雨水設備
(徳永さん撮影)

徳永さんの雨水設備から
水をくむために集まってきた
現地の女性の方たち  
(徳永さん撮影)

生物浄化法(緩速ろ過法)の普及活動

日本の水道では
薬品使用の浄水方法が多くおこなわれています。しかし、薬品をまったく使わずに、本来自然のなかにある浄化作用をいかして水をゆっくり(緩速)循環させる過程で 微生物などの生物の働きを利用して水をきれいにするというのが 「生物浄化法」です。 
中本信忠 信州大学・元教授 が提唱しつづけてきました。

緩速濾過の簡易モデルを説明する
中本先生。海外での指導活動も行
なっておられます。

こんな簡単な装置でも一日に5000L(5トン!)もの水を
浄化して飲料水に
することができます!

愛・地球博で「愛・地球賞」を
受賞された中本先生のお祝いで
「きき水大会」をしたときの模様
里山観察会と ミニビオトープ造り
国立長野工業高等専門学校の松岡教授(環境都市工学科)が、「生物の多様性&共生を根本に据えた、
ミニビオトープづくり」をテーマに、子供たちと 里山観察会を通じたフィールド学習をおこなっています。
H20年3月からは、ミニビオトープ造りの一環として 「雨水活用」も加えていただきました。

CO2バンク推進機構で定期的に
行われる「里山観察会」。出発前
に子供達に 説明をする松岡先生

動物や 昆虫が 食性によって どの
ような環境を好むのか?
仲良く共生するためには・・・ 
フィールド学習中

今春からは、長野高専学生寮横
に 「雨水活用装置」を設置し,
市街地でのミニビオトープ
づくりをスタート!
C-3 みなさんができること
● 水道をひねれば水が出て「あたりまえ」・・・という考えを、
                すこし変えてみましょう

● 水を大切にするために「何ができるか考える」ことをはじめましょう

● 日頃から「電気の節約・無駄をなくす」ことを考えましょう




 
 D おわりに ・・・
D-1 あたりまえ・・・ は「あたりまえ」じゃない

なにごともなく あたりまえにすぎていく 一日 ・・・
でも 大地震など なにかのきっかけで 「あたりまえ」だと思っていたものがなくなると、
あらためて「あたりまえ」の大切さに気づきます。   
そんなときこそ、もういちど まわりをよく見なおすチャンスかもしれません ・・・!

これ、なんだと思いますか ?

さつまいもの葉っぱと茎、手前のお皿は 「さつまいもの茎」を使ってつくった「きんぴら」なんです !!
これは 雨水だけで育てましたが 養分のない土地でもしっかり育って 美味しい「さつまいも」を実らせてくれます。
しかも それだけじゃなく、その茎だって 食べられるんですよ !!

野原や 里山にだって、「あたりまえ」だと思い込んで 気づかないままでいる恵みが きっとたくさんあるはずです !!
( じっさい 東京郊外の公園で 以前「タラの芽」を見つけたことも・・・!)

身近なところに 目をむけてみれば 「あたりまえ」なことのなかに、
ほかにも 新しい発見が きっと ありますよ!


  わたしたちの地球だって ぜんぜん「あたりまえ」なんかじゃかく、宇宙のなかの偉大な奇跡です・・・
みなさんの命も、地球にいるすべての命も・・・ そのなかできざまれる一日一日も ・・・


まずは 空から降ってきて すべての命を生かす水を届けてくれる「雨」を もう一度見直してみませんか?

   



大規模災害のときは 行政に頼るだけではなく、
『せめてトイレの水の確保等を自分たちで』という意識が大切になります。

おトイレのお水 
災害・緊急時 どうしよう!

 
自分たちでできることを考えてみよう!



 

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